平成の名水百選に選ばれた「名水の里」
久留里は、清澄山系に降る大量の雨によってもたらされる豊富な地下水に恵まれた町です。久留里城には「雨城」・「霧降城」という別名があり、昔から水が豊かな地域として知られています。2008年6月には、環境省から「平成の名水百選」に選定されました。
世界でも珍しい「自噴井戸」と「上総掘り」
久留里の井戸の最大の特徴は、ポンプで水を汲み上げるのではなく、地下水が温泉のように自然に噴き上がって流れ出る「自噴井戸」である点です。久留里の自噴井戸は、江戸時代後期(文政年間)から明治時代初期にかけて上総地方で改良され、明治中期に完成した「上総掘り」という技術によって掘られました。 これは、少ない機材と人力だけで井戸を掘削する画期的な技術です。井戸の管には常滑焼の土管などが用いられており、地下500メートルほどの深さにある水脈まで掘り進めることができます。 この技術は日本全国へと広まっただけでなく、アジアやアフリカ諸国にまで伝わり、現在でも世界各地で使われ続けています。
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味が変化する「生きた水」
天然の地層でろ過された水は、驚くほどまろやかな軟水です。溶融成分を多く含み、微生物も存在するため、時間によって味が変化することから「生きた水」と呼ばれています。町なかに点在する井戸ごとに水の味や匂いが異なるため、飲み比べを楽しむこともできます。
井戸めぐりのポイントとおすすめスポット
久留里周辺には現在でも約200本の井戸から水が湧き出しており、その一部が水汲み場として一般に開放されています。
- 久留里観光交流センター(水汲み広場): 井戸めぐりに出発する際は、まず駅すぐのここで「名水マップ」を手に入れるのがおすすめです。センターの前には、複数の蛇口から水が途切れることなく噴き出し続ける「水汲み広場」があり、大きなポリタンクを車にいくつも積んで遠方から水を汲みに来る人々で賑わいます。
- 街なかの名水スポット: 駅から徒歩5分ほどの「高澤家の名水」や、「新町の小井戸」、「藤平酒造の井戸」といったスポットがあります。また、上総行政センターの敷地内などにも自噴井戸が設置されています。
- 久留里城の湧水: 城の周りでよく雨が降ることから「雨城」の別名を持つ久留里城ですが、その山上にも「男井戸・女井戸」や「お玉が池」といった現在も水を湛える水源が残っています。